ジャーナル最新号のチェック(続編)


 

昨日ブログに書いたように,ジャーナル最新号の論文タイトルだけを
一覧できる,このようなサイトを作りたいと思っていました。

そこで,WordPress のプラグインの RSSImport を使って,
ジャーナル最新号の論文タイトルを一覧できる,
以下のようなアンテナサイトを作ってみました。
Current Issues of Academic Journals

これで各ジャーナル最新号のタイトルが一覧できるようになりました。
(RSSImport の使い方で参考になったのはこちらの記事

読み込みに多少時間がかかるのと,あまり美しくないのが欠点です…

RSS配信されていないサイトについては,
RSS を作ってくれるサービスを使いました。

しかし,このままではジャーナルのタイトルごとにしか並んでおらず,
時系列になっていないため,Lifestream のようなプラグインで
対応しようかと思っています。

時系列に並べるのは,Google Reader にこのように新着順で並ぶので,
対応できるかなと思っています。

<自分用まとめ>

  • RSS feed のあるジャーナルは,Google Reader に追加し,
    WordPress の RSSImport でタイトルをブログに表示する。
  • RSS feed がないジャーナルは,トップページや “current issue” に
    更新があるのであれば,はてなアンテナでサイトを登録し,
    更新がなければ サイトで提供されてる(なければ無理ですが)
    Email alert に登録。

今回,何を一番学んだかを振り返ってみると,
「Google と WordPress は便利すぎる。」といったところでしょうか(笑)

ジャーナル最新号のチェック


 

これまで,このHPに掲載している自分が読みたいジャーナルは,
はてなアンテナにこのような形で登録して,通知メールを受けてから
確認するようにしていましたが,うまくできないケースが増えてきたので,
Google Reader で RSS のフィードを読み込むようにしました。

本当はこういうのが作りたかったのですが,時間がかかりそうだったので断念。

RSSがないものや(残念なオンラインジャーナルに多い!),
CiNiiで発行1年後から公開される以下のようなものは,
これまで通りはてなアンテナに入れて確認するようにします。

Language Education & Technology (CiNii)

ARELE (CiNii)

JALT Journal

JACET Academic Journals (CiNii)

教育心理学研究 (CiNii) 

教育心理学年報 (CiNii)
 


 

メソドロジー研究部会/言語テスティング・第二言語習得合同勉強会(2012/11/10)


 

この勉強会の togetter はこちらです

 

次回のLET関西支部メソドロジー研究部会は,
筑波,神田外語の院生が中心として行っている,
言語テスティング・第二言語習得合同勉強会
との共催で,以下のように予定しています。

LET会員・非会員に関係なく参加費無料です。

 

メソドロジー研究部会 / 言語テスティング・第二言語習得合同勉強会

研究会全体プログラム(pdf)

日時:11月10日(土)13:00-17:00

場所:流通科学大学東京オフィス(サピアタワー9F,新幹線日本橋口徒歩1分)


より大きな地図で 流通科学大学東京オフィス を表示

内容:

1. <13:10–13:40>
「構造方程式モデリング:モデル構築の再検討」
今野 勝幸(静岡理工科大学)

2. <13:45–14:15>
「マルチレベルモデルのはなし(見習い編)」
水本 篤(関西大学)

3. <14:20–14:50>
「協働学習(ペア活動)におけるデータの分析について」
山西 博之(関西大学)

4. <15:10–15:40>
「プリ・ポストデザインにおける得点の比較」
印南 洋(芝浦工業大学)

5. <15:45–16:15>
「変数間の関係を要約する・解釈する:散布図・相関分析・回帰分析」
前田 啓朗(広島大学)

6. <16:20–16:50>
「日本語リズムの揺れと音楽演奏テンポの揺れ―人のリズム活動に潜む機序を求めて」
東 淳一(順天堂大学)

研究会終了後に,懇親会を予定しています。
17:30-20:00(予定)懇親会@夢酒知花

 

 

「メソドロジー研究部会」の紹介


 

【LETメールマガジン 第87号】 (2012年04月09日)より

LET 関西支部メソドロジー研究部会は,2010年に発足しました。
この研究部会では,「研究の『正しい』所作を学ぶ」をテーマとし,
研究手法全般に関する内容を取り上げています。

本研究部会には,2つの特徴があります。
1つ目は,参加者全員が関心のある話を聞けるという点です。

同じ外国語教育研究と言えども,専門とする研究内容が違えば,
学会発表を聞いていてもわからないということがありますが,
本研究部会で取り上げている内容は,どのような研究に携わって
いる人にも関係があり,共通する部分であるメソドロジーを
学ぶことができます。

また,さまざまな研究内容における分析方法や問題点を,
メソドロジーという観点から知ることができます。

2つ目の特徴は,参加者には比較的,若手研究者が多いと
いうことです。

部会の目標の1つに,「これから研究を始める人も,これまで
多くの研究を行ってきた人も,経験,業績などにかかわらず,
ネットワークを広げていける場を提供する」というものもありますが,
参加者にはベテランの研究者というよりは,若手研究者が多いようです。

そのため,北は北海道から南は沖縄まで,真剣により良い研究手法を
学ぼうとする意気込みの若手研究者が,研究会に毎回集まり,
質疑応答では,所属や氏名など名乗ることなく,自分たちの
学びたいことについて熱く語り合っています。

参加者・発表者は LET 会員である必要はありません。
2011年2月には,筑波大学と神田外語大学の院生が中心となって
行っている「言語テスティング・第二言語習得合同勉強会」と
研究会を共催したり,2012年2月の研究会では,
浦野 研 先生(北海学園大学)に
論文審査と編集作業のウラ側−JALT Journalの場合−
というタイトルのお話をしていただいたりと,学会や支部の
メンドクサイ枠組みを越えて,(本来の学会のあるべき姿である)
「本当に学びたいことを学ぶ場」になっています。

 

<メソドロジー研究部会報告論集>

この2年(2010年度,2011年度)の活動で,
それぞれの年度ごとに,部会の報告論集を発行しました。

この報告論集はオンラインで公開されており,この研究部会の
「本気度」がわかる内容となっていますので,ご一読いただければと思います。

 

 

Larson-Hall (2010) の R 版


 

Larson-Hall, J. (2010). A guide to doing statistics in second language research using SPSS. New York: Routledge.

この本の冒頭で,著者は「本当は R の本が書きたかったけど,出版社にそれでは売れないから,SPSS の本にしてくれ」と言われたと書いています。

その無念(?)を晴らすためかどうかはわかりませんが,この SPSS 本のコンパニオンサイトには,無料でこのような資料があります。

A Guide to Doing Statistics in Second Language Research Using R

この資料は,SPSS本での分析に加えて,特に作図の際の R のコードが丁寧に説明されていたり,robust statistics の説明も詳しいため(外れ値を多く含む値を扱う研究では,参考にしてみてもよるとよいかもしれません),とても参考になります。

ちなみに,この資料では,mixed-effects models について,次のように書いていました。

“There is then ample reason to consider the use of mixed-effects models above a traditional RM ANOVA analysis for repeated-measures data. … I do recommend that readers take a look at other treatments of mixed-effects models, including the very clear Crawley (2007), and also Baayen (2008), which contains examples from psycholinguistics, especially work with reaction times and decision latencies” (p. 255).

Baayen, R. H. (2008). Analyzing linguistic data: A practical introduction to statistics using R. Cambridge: Cambridge University Press.
Crawley, M. J. (2007). The R book. New York: Wiley.

こういう優れた資料をオンラインで無料で入手できるのは,R を使う大きな利点だと思います。

 

階層線形モデル/マルチレベルモデル/線形混合モデル


 

このタイトルの分析方法(モデル)について,
2012/11/10にメソドロジー研究部会・言語テスティング
第二言語習得合同発表会にてお話しました。
 

 iOSの場合は,”Sorry! Page not found”と表示されるので,こちらからご覧下さい

 

外国語教育研究ハンドブック」で紹介している,検定や,
分散分析(ANOVA),回帰分析は, 一般線形モデル(general linear model)
と呼ばれる枠組みのものです。

一方,一般化線形モデル (generalized linear model; GLM)は,
その枠組みを拡張したもので,ランダム効果が入ったら,
一般化線形混合モデル (generalized linear mixed model; GLMM)と
呼ばれます。ランダム効果については,資料をご確認ください。

分野や分析方法によって,線形混合モデルと呼んだり,
階層線形モデル (hierarchical linera model; HLM)と呼んだり,
マルチレベルモデル (multilevel movel)と呼んだりするので,
ややこしいですが,基本的な考え方は同じものです。

一番わかりやすい資料としては,土屋政雄先生のこの資料だと思います。
初心者による初心者のための「線形混合モデル」 

Rを使った初心者向けの資料としては,
川端一光先生の「マルチレベルモデル-Rによる実行-」が,
とても参考になります。Rだと,数式に対応している部分が
コードの中でわかるので,理解もしやすいのではないでしょうか。

入り口の内容が理解できたら,Rでコードと数式を丁寧に説明してある,
中級者による初心者のための「線形混合モデル」」(奥村泰之先生)が
よいでしょう。前提条件なども詳しく書いてあるので,貴重な資料だと思います。
<その他のわかりやすい説明や資料>

階層的線形モデル(HLM)について(奥村太一先生)

マルチレベルモデリング(ppt)(尾崎幸謙先生)

一般化線形モデルおよび混合モデル(Memorandums)

一般線形モデル(シリウス先生の心理統計学)

量的分析法勉強会(Miyazawa’s Pukiwiki)

Mixed model おすすめ文献集(エビ研)

マルチレベル分析講習会の資料(Sunny Side Up!)

R でマルチレベルモデル(myscratchpad)

統計分析リンク集(縄田健悟先生)

 

久保拓弥さんの「データ解析のための統計モデリング入門:
一般化線形モデル・階層ベイズモデル・MCMC
は,さまざまなところで取り上げられています。

 

書籍では,”Discovering Statistics Using R” の第19章で,
“Multilevel linear models” が詳しく説明されています。
これは本当にわかりやすいです。

 

『回帰分析入門 (Rで学ぶ最新データ解析)』の
第9章「階層線形モデル」もかなり参考になります。

 

その他に『マルチレベルモデル入門―実習:継時データ分析』は,
説明がかなり詳しいと思います。SPSS,SAS,R,それぞれのコードが
入っているので,実際にソフトを動かしながら学ぶことが可能です。
(数式が多いので,この本は初心者にはハードルが高いです。)

 

ちなみに,以下の論文は最近のもので,SLAにおいて
線形混合モデルを使うべき理由が説明されています。

Cunnings, I. (2012). An overview of mixed-effects statistical models for second language researchers. Second Language Research, 28, 369–382. doi:10.1177/0267658312443651

 

 

 

 

音読時の脳活性化 (Takeuchi et al., 2012)


 

RELC Journal に以下の論文が掲載されました。

Takeuchi, O., Ikeda, M., & Mizumoto, A. (2012). Reading aloud activity in L2 and cerebral activation. RELC Journal, 43, 151–167. doi: 10.1177/0033688212450496

音読時の脳活性化(特に音読の題材と,音読の繰り返し効果)を
光トポグラフィーという機器を使って検証しています。

ご興味がおありで読んでみたいものの,所属機関で RELC Journal を購読していない方には,著者よりコピーを送りますのでご連絡ください。

 

Q & A about journal publishing 延長戦


 

印南 洋 先生が,全国英語教育学会で Orega 先生
Journal publishing seminar 終了後に個別質問した内容を
転載許可いただきましたのでアップします。

 

(Q1) 研究業績書に under submission や under review の論文を書いて良いか?

投稿中の論文を
Yamada, T. (under submissionもしくはunder review). Title…
Journal name… のように研究業績書に書いている人がいるのですが,
google searchすれば著者がすぐに分かってしまい、blind reviewにならないのでは?

A1. その通りだが、そこまで著者に制限はできないが、研究業績書には
書かないで欲しい。

 

(Q2) 査読者のコメントをcut and pasteして自分の論文内で使うと
plagiarismになりますか?

A2. いい質問。なるだろう。cut and paste するのは良いが、
その後たくさん revise するうちに形跡がなくなると思う。
まさに的確な表現のため cut and paste して使いたいのであれば、
As reviewer 1 says, “…” のように引用すべき。査読者も喜ぶ。

 

(Q3) journal editorになるにはどうすればいいですか?

A3: たくさんの論文をreviewするうちに、このreviewerはジャーナルに
とって重要な人だとeditorが思うはず。
editorial boardに入れてもらえないか丁寧にリクエストしてみる。

 

t値と自由度から計算する効果量rはηと同じもの


 

外国語教育研究ハンドブック水本・竹内(2008)では,

検定のときの効果量として,r を紹介しています。

平均や標準偏差から計算する効果量の d は,指標として

わかりやすいものですが,検定から得られる 値と自由度(df)を

使って計算する効果量の r は,一体何を示しているのか,

わかりづらいといえば確かにそうだと思います。

 

大学院の授業でも毎年,学生が混乱しているようですし,

海外のジャーナルに論文を投稿して,査読者から

「この効果量の という指標は見たことがない」というコメントを

もらったという方もいましたので,説明をここにまとめておきます。

 

水本・竹内(2008, p. 61)を確認してみるとわかるように,

効果量の r は η (イータ)と同じものです。

ちなみに,t 検定の効果量として説明した r は相関比の

特殊な形であるため,η2 は,分散説明率と呼ばれる

相関係数(r)を 2 乗した r2 やR2 (回帰分析の決定係数,

coefficient of determination)と同じものであると

考えてよい (Field, 2005, p.357)。

 

そのため,論文には η と書いても構いません。

 

事実,Hatch and Lazaraton(1991) では,検定の効果量は,

r と同じように 値と自由度で計算していますが,

η として紹介されています。

Hatch, E., & Lazaraton, A. (1991). The research manual: Design and statistics for applied linguistics. Boston: Heinle & Heinle.

 

効果量の r は η は同じものだと言われても,

なぜ同じなのかわからないと思いますので,

ここでは,外国語教育研究ハンドブック第5章で使われている,

独立した(対応のない)検定のデータを使用して確認します。

 

R をお使いの方は,特別なパッケージは使わずに実行しますので,

コピーアンドペーストして試してみて下さい。

 

まず,データを読み込んで,検定を実行します。

dat <- read.csv(“http://mizumot.com/handbook/wp-content/uploads/ch05independent.csv”, header=T, fileEncoding=”CP932″)

dat # どのようなデータか確認

# 等分散を仮定した t 検定

t.test(dat$Score~dat$Group, var.equal=TRUE)

 

 

次に, 値と自由度から,効果量 r を計算します。

少し長いコードですが,上記の結果から手計算でも

構いませんし,Excelの計算シートを使ってもよいでしょう。

t検定の効果量算出についてはこちらを参照

t.result <- t.test(dat$Score~dat$Group, var.equal=TRUE)

r <- sqrt(t.result$statistic[[1]]^2/(t.result$statistic[[1]]^2+t.result$parameter[[1]]))

r

 

 

同じデータを使って一元配置の分散分析を行い,

効果量の η2 を計算します。

検定でも分散分析でも得られる p 値は同じになります)

anova(lm(dat$Score~dat$Group))

result <- anova(lm(dat$Score~dat$Group))

eta.squared <- result$”Sum Sq”[1]/(result$”Sum Sq”[1]+result$”Sum Sq”[2])

eta.squared #イータ2乗

 

 

上記の結果から得られる η2 はイータを2乗したものなので,

も同じように2乗して比較してみます。

r^2  # 値と自由度から計算した効果量 を2乗したもの

eta.squared #イータ2乗

 

 

同じ値になっていることが確認できます。

また,確認のために ηの2乗を外して r と比較します。

r # 値と自由度から計算する効果量 r

sqrt(eta.squared) # 2乗を外したイータ

 

 

こちらも同じ値になっています。

このように,r は η と同じものであることがわかります。

 

なぜ違う計算から得られる,r と η が同じ値になるのでしょうか。

 

値と自由度から計算できる,効果量 r は点双列相関係数

(point-biserial correlation coefficient) と同じものです。

 

点双列相関とは,以下の図のように,2つのグループを

示す値(1と2)と得点との相関係数のことです。

(グループを示す値は名義尺度なので,1と2でなくても,

2と3だったとしても同じです。)

 

 

上記までのデータで,Rを使って計算してみます。

pb.r <- cor(dat$Score, dat$Group)

pb.r

 

 

効果量では,正負の符号は関係ありません。

上で計算した,r と η と同じ値になっています。

 

また,t 値と自由度で計算した効果量rの2乗と,

点双列相関を2乗した値と,分散分析の結果から

計算される ηの3つを比べてみましょう。

r^2

eta.squared

pb.r^2 #を2乗したもの

 

 

同じ値になっていることがわかります。

 

点双列相関をグラフにしてみます。

attach(dat)

plot(Score~Group, ylim=c(0,100), xaxp =c(1, 2, 1), yaxp =c(0, 100, 10))

abline(lm(Score~Group), col=”red”)

 

 

グループ1と2の点数に差があれば,回帰直線の傾きも

急になる(つまり,r の値が大きくなる)はずですが,

差がないために,r の値が非常に小さくなっています。

 

参考までに,r = 0.1(効果量小),r = 0.3(効果量中),

r = 0.5(効果量大)の場合の2つのグループの差を図示します。

(効果量 d も一応入れています)

 

 

このように,どちらのグループに振り分けられたかに

よって,点数に差が生じるかどうかというのは,

分散分析における効果量の計算式

η2 = グループ間の平方和 / 平方和の合計

で確認している,「群の効果によるばらつき」

(グループの違いによって生じるばらつき)の割合と

同じものをみているといえるわけです。

 

結論:効果量の r と η は同じものである。

 

 

統計解析ソフトR入門者向けワークショップ


 

※このWSは終了しました。当日は20名以上の方が参加されました。
ご参加いただいた皆様,どうもありがとうございました。 

  • 日時:7月14日(土)15:00-17:30
  • 場所:関西大学岩崎記念館 2階 CALL-1教室
  • 対象:
    ・ 学部生,院生,研究者
    ・ R を触ったことが無い人
    ・ R を使ってみたいと思っている人
    ・ これからデータ分析をする人
    ・ S●SS は自宅で使えないので不便だと思っている人
  • 参加費:無料
  • 内容・その他:
    – 『外国語教育研究ハンドブック』(松柏社)の内容に沿って説明します。
    – Rのインストールから行う超初心者向けワークショップです。
    – ハンズ・オン,少人数で行います。
    – 参加者多数の場合はお断りする可能性があります。ご了承下さい。
    – ご自分の PC を使いたい場合はご持参下さい。
    – 持込PC用インターネット接続サービスはありません。